気温差30℃の旅

気候

JR最北端の駅・稚内駅

南北に長く、海流の影響も多大に受ける日本は四季と地域による気候の変化の大きい国である。季節によっては数日の移動で気温差30℃になることもある。これは俺自身が行った旅ではないが、それを体感するツアーに出会ったときの話である。

◎JR最北端の駅から最南端の駅へ
2009年3月1日、JR全線乗車の一環として鹿児島県内を走る指宿枕崎線に乗っていた。鹿児島中央駅の始発で終点の枕崎へ、そこからの折り返しで再び戻るという行程だったんだが、その途中の西大山駅でやたらと人がいた。この駅がJR最南端の駅であり無人駅であり、人口密度は低い地域であるので、ツアー客であることはすぐ判ったし、何のツアーであるかは直感した。
ツアー客の一人が俺の座るボックスシートの前の席に座ったので「最北端から最南端のツアーですよね」と聞いたところ、首から下げた参加証みたいなものを見せてくれて「そうですよ」と答えてくれた。関西の旅行代理店の企画らしく、その人はラジオCMを聞き即申し込んだそうで、20分で完売したらしい。

◎どんなコースだったか?
ツアーとしては西大山から鉄道に乗り、鹿児島中央で解散のようだ。参加証には全コースが書いてあったんだがその記録は俺は取っておらず、記憶でしかないが4泊5日で次のようなコースだったと思う。
1日目 稚内集合で特急・函館泊
2日目 函館から特急、八戸乗り換えで新幹線、東京泊
3日目 東京から新幹線、京都泊(ここで観光)
4日目 京都から新幹線・新八代、特急で川内、再び新幹線で鹿児島中央でバス移動で指宿温泉
5日目 指宿温泉からバスで西大山駅 ← ここで遭遇
1日あたり長くても昼間陽のある8時間ほどの移動、しかも新幹線と特急だから身体的にはそこまできつくないはずだ。話した参加者も定年退職後数年経つ人だった。
2009年3月当時は北海道新幹線も全通しておらず、東北新幹線も八戸まで、九州新幹線も鹿児島中央-新八代間だけだった。2021年だとあと1日短縮できるかもしれない。

このツアーで一番大変なのは集合場所の稚内行くまでだ。関西からだと直通の飛行機がありはするがこの季節就航率が70%とかになるらしい。確実に行くとすると新千歳まで飛行機でそこから鉄道、予備にも1日欲しいところだ。わざわざこの季節でなくともと2009年当時は思った。

◎気温差30度の旅

最南端駅表示と開聞岳

こうして2021年、今にして思うとあの最北最南端ツアーは両端を知るだけでなく、気候の変化を知るためだったのかなとも思う。あの時の旅は俺も初の鹿児島だった。3月1日で気温20℃、プロ野球球団がキャンプやるのもなるほどと思った。それから10年ほどして、同じく3月1日に流氷を見に冬の北海道に初めて行った。網走で氷点下10℃くらい。旭川あたりだと場合によっては氷点下20度で、気温差40℃の旅もあり得るだろう。

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